仕事依頼や気軽なコミッションでの支払いを受け取る際に利用できるオンライン決済サービスで「PayPal」と「BOOTH」をしてみました。
PayPal は海外サイトでの買い物やオンラインサービスの支払いに幅広く利用できるサービスとして知られています。日本語の公式サイトもあるので、日本からの利用でも特に不便はありません。
BOOTH はpixivが運営するグッズやダウンロードデータの販売を利用できる国内サービスですが、コミッションの支払いに使用されている方も多いです。
どちらも登録手数料や年会費は発生しない基本無料のサービスとなっています。
目次
クレジットカード払いへの対応
そもそもなぜオンライン決済サービスを利用しなくてはならないかと言うと、お客さんがクレジットカード払いをすることができるという点が一番です。
こちらの銀行口座に振込んでもらうのが、支払いを受けるこちら側としては手数料もかからず楽なのですが、支払うお客さんにとっては銀行口座や支店が違うと手数料が発生してしまいます。
クレジットカード払いですと、お客さんとは気軽に利用でき、カード会社によってはポイントが付いたりもしますね。
お客さんが企業の場合は銀行口座取引が信頼性の上で双方問題ないところですが、お客さんが個人の場合は手軽さや手数料が発生しないクレジットカード払いが利用できるのが利点ですね。
PayPalもBOOTHに限らずですが、オンライン決済サービスではクレジットカード払いができます。
PayPalでの支払い受け取りについて
PayPalで10万円以上の支払いを受け取る場合には、本人確認手続きを完了する必要があります。
本人確認手続きはPayPalが対応している銀行口座振替設定を行うか、本人確認書類の画像のアップロードを行います。
BOOTHでの支払い受け取りについて
BOOTHで依頼・コミッションでの支払いを受け取る場合には1点注意が必要です。
コミッションのようにあらかじめオーダー表があり、金額が決まっている場合にはそのオーダー表を提示した商品ページを作成しておき、そこから支払ってもらうということができますが、通常の仕事依頼などで金額が一定でないものについては都度商品ページを作成する必要があります。
また、BOOTHでの商品ページは公開後には、誰でも購入できる状態になってしまうため、お客さんとの信頼関係上もあまり好ましくないと思います。
そういった際には別途BOOTHの追加機能「シークレット販売機能」を契約する必要があります。
シークレット販売機能は「合言葉」を設定し合言葉を知っている人のみに商品ページが表示され支払いを行うことができる機能で、月額550円(税込)となります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「BOOTH Apps」の「シークレット公開機能」を使ってみた – ぴぽやblog
まあ、シークレット販売機能を利用せずともお客さんの支払いタイミングにあわせて支払い用の商品ページを作り、支払いを済ませた時点で商品を削除すれば問題はでないとは思いますが、ファン?変わった人?がうっかり投げ銭的に払ってしまうということもあるかもしれません(笑)
PayPalとBOOTHの比較
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
登録料/年会費 | 無料 | 無料 |
決済手数料 | 30万円以下の場合 国内 3.6%+40円(決済1件毎) 海外 4.1%+40円 (決済1件毎) 国内は無料になる場合もあり | 3.6% |
売上の払出 振込手数料 | 5万円未満 250円 5万円以上 無料 海外通貨の場合は 別途為替手数料が発生 ドルの場合は4% | 3万円未満 200円 3万円以上 300円 |
売上の払出 タイミング | 自分のタイミングで申請し、 約3営業日内に入金 | 5千円以上の場合に自動振込 月末締め、 翌月20日から5営業日以内 (土日祝除く)に入金 |
対応支払い方法 | ・クレジットカード VISA,Master,JCB,AMERICAN EXPRESS,DISCOVER ・デビットカード ・銀行口座 みずほ,三井住友,三菱UFJ,ゆうちょ,りそな,埼玉りそな | ・PayPal ・クレジットカード VISA,Master ・楽天ペイ ・銀行決済 Pay-easy,ゆうちょ,ジャパンネット,楽天,じぶん ・コンビニ ローソン,ファミリーマート,ミニストップ,セイコーマート |
対応言語 | ほぼ世界中 | 日本語,英語,韓国語, 中国語(简体字,繁體字) |
PayPalの決済手数料について
PayPalの決済手数料は「PayPal.Me」というPayPalと連携した個人間決済サービスを利用すると0円になる場合があります。
PayPal.Meでお客さんが銀行口座振替設定をしている場合には手数料がかかりません。クレジットカード払いになると上記表の手数料が発生してしまいます。
対応している銀行口座は2019年11月現在、みずほ銀行,三井住友銀行,三菱UFJ銀行,ゆうちょ銀行,りそな銀行,埼玉りそな銀行となっています。
また10万円以上を受け取る場合には、通常のPayPalと同じく本人確認手続きが必要です。
シミュレーション
いくつか売上金額に応じたシミュレーションを行ってみました。
日本円でのお客さんからの支払いを想定しています。
PayPalは海外通貨だと手数料が変わります。
振込手数料に関しては、BOOTHは5千円以上は自動振込で、PayPalは任意のタイミングで申請可能な点を考慮してください。
また、BOOTHでシークレット販売機能を利用する場合には月額550円(税込)の固定費が加算されますので、ご注意ください。
月の売上が1万円で1件のみの場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 10,000円 | 10,000円 |
決済手数料 | 360円+40円 | 360円 |
振込手数料 | 250円 | 200円 |
振込金額 | 9,350円 | 9,440円 |
BOOTHとPayPalの差額:BOOTHが+90円
月の売上が5万円で1件のみの場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 50,000円 | 50,000円 |
決済手数料 | 1,800円+40円 | 1,800円 |
振込手数料 | 無料 | 300円 |
振込金額 | 48,160円 | 47,900円 |
BOOTHとPayPalの差額:PayPalが+260円
月の売上が2.5千円×4件の場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 10,000円 | 10,000円 |
決済手数料 | 360円(90円×4) +160円(40円×4) | 360円(90円×4) |
振込手数料 | 250円 | 200円 |
振込金額 | 9,230円 | 9,440円 |
BOOTHとPayPalの差額:BOOTHが+210円
月の売上が1万円×5件の場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 50,000円 | 50,000円 |
決済手数料 | 1,800円(360円×5) +200円(40円×5) | 1,800円(360円×5) |
振込手数料 | 無料 | 300円 |
振込金額 | 48,000円 | 47,900円 |
BOOTHとPayPalの差額:PayPalが+100円
月の売上が10万円で1件のみの場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 100,000円 | 100,000円 |
決済手数料 | 3,600円+40円 | 3,600円 |
振込手数料 | 無料 | 300円 |
振込金額 | 96,360円 | 96,100円 |
BOOTHとPayPalの差額:PayPalが+250円
月の売上が1万円×10件の場合
PayPal | BOOTH | |
---|---|---|
売上 | 100,000円 | 100,000円 |
決済手数料 | 3,600円(360円×10) +400円(40円×10) | 3,600円(360円×10) |
振込手数料 | 無料 | 300円 |
振込金額 | 96,000円 | 96,100円 |
BOOTHとPayPalの差額:BOOTHが+100円
シミュレーションまとめ
- 件数が少なくて売上の合計が5万円以上の場合はPayPalがお得。
- 件数が多くなるとBOOTHがお得。
ただし、シークレット販売機能を利用する場合(月額550円)は、1万円×20件ぐらいまでだとPayPalのほうがわずかにお得になります。
まとめ
上記のシミュレーションのまとめにあるように決済件数と売上金額によって、少し差がでますので、どちらが良いかはご自分の想定利用回数や売上予想に応じて考える必要があります。
PayPalは海外認知度が高いので、海外の方からご依頼がある方にはお客さんからお支払いを受けるにあたってスムーズに導入できるという利点が大きいです。
BOOTHも(英語,韓国語,中国語)には対応しているのと、BOOTHからPayPal決済を選べるという点もあるので、最初の導入説明さえうまくできれば海外からの依頼でも問題なく対応できそうです。
また、BOOTHは日本国内で利用者が多いJCBブランドのクレジットカードに対応していないので、お客さんがBOOTHからPayPal決済でJCBカードを使うというケースもあると思います。
BOOTHはそもそもグッズ販売やデータ販売ができるサービスなので、そちらの利用も想定しているようなら、5,000円以上での自動振込対策としてなるべく振込手数料を抑えてまとめて振り込まれるように、BOOTHに統一するのも良いかと思います。
少しBOOTH押しではありますが、基本的には登録料・年会費は無料なので両方に対応できるようにしてしておいて損はないです。
また、コミッションなどの場合は、集客ツールとしても活用できるSKIMAやskebなどの国内サービスを使ってみるのも良いかと思います。
TwitterやpixivなどのSNSやブログなどで集客されている方には、今回のオンライン決済サービスは十分に活用できるものですので、本記事がお役に立てれば幸いです。